院長の診療ノート
カフェインの取りすぎ、、、

みなさん、こんばんは。
先日、20歳代前半の男性がカフェイン中毒で亡くなったというニュースを見ました。
非常に痛ましいです。何とかならなかったのか、何とか救えなかったのか、、、
以前からエナジードリンクの危険性についてアメリカでは問題になっていました。エナジードリンクが死因と主張する遺族による製造販売会社を相手取った集団訴訟も各地で起きています。
海外の小児科の論文 Pediatrics 2011;127:1182-1189 で、「一部の激しいスポーツをする場合以外は、スポーツドリンクもエナジードリンクも必要ない」と書かれており、子供に対してカフェインは全く必要ないとされています。
カフェインには集中力を上げたり、心拍数を増加させるといった効果がありますが、依存性(止められなくなる)があり、副作用として腹痛や下痢、呕気といった消化器症状以外に、落ち着きが無くなったり、不安感が増大すると言った中枢神経症状もあります。一番問題なのが不整脈です。アメリカでのカフェイン中毒による死亡例では不整脈が関係しているものもあるようです。夜眠れないとか、動悸がするといった程度ですめばいいですが、、、
カフェインの致死量は200〜400mg/kg(体重1kgあたり200〜400mg:体重60kgの人で1200〜2400mg)ですが、
3〜6mg/kg体重1kgあたり3〜6mg:体重60kgの人で180〜360mg)程度で症状は出現するようです。
コーラで約10mg/100mL
エナジードリンクでは20〜40mg/100mL程度
多量に飲まないと症状は出ないと思いますが、お酒のように「一気飲み」とかは論外ですね。
子供にとっては、中枢神経の発達や心臓について悪影響を及ぼしそうです。お茶や紅茶にもカフェインは含まれるので、全く摂取しないようにする必要はないですが、不必要に摂取するのは控えた方が良いのかもしれません。
亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。これを教訓に同じようなことが起こりませんように、、、

更新: 2015年12月24日