院長の診療ノート
抗生物質使用の功罪

6月中旬というのに夏のような暑さですね。皆さん、体調など崩されていませんか?

 

今回は抗生物質についてです。

大人の風邪に対する抗生物質の使用について、アメリカ内科学会と疾病管理センターの解析と声明です。

 

https://medley.life/news/item/574e8d3b33b09d46038b4aac

 

抗生物質というのは感染症の治療に対し非常に有り難く、非常に強力な武器だと思いますが、必要がなければ使わないに越したことは無いです。しかし、それを「使わなくて良い!」と判断するのが非常に困難だと思います。

 

大人の風邪で抗生剤を処方されたうちの50%は不必要であったり不適切であるとされています。

小児でも風邪の9割近くは抗生剤が必要ないと言われています。(それが”風邪”であればの話ですが、、、)

 

「私には〇〇という抗生剤があっているので出してほしい」

とか

「なかなか受診に来れないから抗生剤を出しておいてほしい」

と言われると非常に迷ってしまいます。

 

抗生剤を飲まないことのメリットが非常に気付きにくいし、体感しにくいのです。

また、抗生剤を飲むことによるデメリットもあまりピンッときません。

 

しかし、耐性菌だけはできる限り気をつけなくてはなりません。感染症治療の歴史は、病原体と抗生剤の歴史と言われています。どんどん病原体が強くなり、どんどん抗生剤も強くなってきました。人類はこのいたちごっこに負けるわけにはいきません。製薬メーカーでの抗生剤の開発が一時期に比べるとかなり減っていると聞いたことがあります。今ある抗生剤を限られた資源と考えうまく使っていくことが必要だと思います。

更新: 2016年6月14日